kaunisupuu mekiss

小さなお話や長いお話、詩のようなお話、時々他にも何か。

父の話を書きながら2

思うところあり父の話を書いている。

昨日、自分にもわかるように大好きな気持ちを表現してくれる人をはじめて失うというか、取られた気がした経験を妹の誕生で感じた話を書いた。また思い出した、こんなこともあった。

妹がベビーベッドで寝ている。そこに父方の親戚がやってきてかわいい赤ちゃんね,と褒める。今なら,赤ちゃんは可愛いものだとわかるが当時のわたしには,その言葉は私にはかけてもらえないわけで,とはいえ,決してそこにいる子どもが可愛くないわけではないのだが、とにかくその場にいる先に生まれた子にはそんな言葉はかけてはもらえない。まして、かわいい赤ちゃんと言われて,自慢の妹となるはずの小さい赤ちゃんをもっとみてもらおうと、親戚と一緒にベッドを覗き込みなんとなく手を差し伸べた時、

「あ、だめよ!汚い手で赤ちゃんを触らないで」と言われたのだ。今ほど衛生に気を使っていたわけではないにしろ、また、もともとうちの中にいることの多い子どもだった私の手は,外から来た親戚よりは多少きれいなのではないか? 当時の私は急いで手を引っ込めて自分の手を見たのを覚えている。私は汚い子なのかなと、台所に行き手を洗ったのを記憶している。キレイでかわいい妹をみんなは大好きで、外に行かなくても私は汚くてかわいいとは言ってもらえない私は嫌われているのだと,それ以来こんなに大きくなっても、何かにつけて思い、私を好きになる人はいないのだと思うことが多い。3歳の春から、まさに三つ子の魂百までも、だったのだ。