kaunisupuu mekiss

小さなお話や長いお話、詩のようなお話、時々他にも何か。

5月31日朝

5月の終わり走りつゆの雲の中に

小さな龍を見つけた。よく見ると

その脇にもう1匹。小さな体をくねらせて

雲の合間に見え隠れする。

そのしっぽがいってしまうとすぐにもっと大きな龍をみた。あれは親なのだろうか。

つかず離れずに飛ぶ龍をみて、なるほどたくさんの雨が降るのも致し方ない。

今は多分、龍も出産の時期なのだろう。

龍は多産なのか。

 

龍の泳いだ後が残る空、一面に広がる雲を

わたしは眺めながら歩く。

かさをさすまでもないきまぐれな雨がいま

降り出した。