kaunisupuu mekiss

小さなお話や長いお話、詩のようなお話、時々他にも何か。

2019-02-17から1日間の記事一覧

第2話-① 起 血縁を捨てる ~磐牙~

生まれて三日ばかり過ぎた細い月が高い空の上で白く輝きを放っている。命を駆るためだけに振り上げられた鎌の切っ先に似た細い月の―鋭い輝きが暗い森をところどころ突き刺すように照らしていた。「磐(ばん)牙(が)、まったくお前ときたら砂のようじゃ。この手…